インセンティブとは? 種類と仕組み、働く場合のメリット・デメリットについて

インセンティブとは?
目次
  1. インセンティブとは?
  2. インセンティブの意味は?
  3. インセンティブは誰から誰に支払われる?
  4. インセンティブの目的
  5. インセンティブにはどのような種類があるか
  6. 金銭によるもの
  7. 評価による
  8. 物品・サービスによるもの
  9. 似た単語・関連する単語
  10. 歩合制
  11. ボーナス・賞与
  12. インセンティブ制度のある企業で働くメリット
  13. 年収を大きく高められる場合も
  14. 仕事へのモチベーションが上がりやすい場合も
  15. インセンティブ制度のある企業で働くデメリット
  16. 収入が安定しない場合も
  17. 社内の協力がうまく機能しない場合もある
  18. インセンティブ制度のある企業で働くべきかどうか
  19. 向いている人・いない人
  20. 自身の仕事の価値観を整理しておくことも大切

インセンティブとは?

インセンティブの意味は?

ビジネスシーンでよく聞かれる「インセンティブ」という単語は、「成果や業績に対して支払われる報奨金」という意味合いで使われることが多いです。ただ、必ずしも金銭であるとは限りません。

もともとの意味としては「刺激」「動機」「誘因」となっており、社員・関係者のモチベーションを高めるための施策の一つとして実施されるのがインセンティブといえます。

インセンティブは誰から誰に支払われる?

求人などに記載されているインセンティブは、基本的に企業から社員に支払われるものになります。たとえば、営業職において、受注件数に応じてインセンティブを基本給に上乗せするという制度が挙げられます。

また、インセンティブは企業から企業へ支払われることもあります。たとえば、販売代理店に対して、販売件数に応じて・目標額の達成に応じて支給されるというような場合です。

インセンティブの目的

インセンティブの大きな目的は、社員のモチベーションアップです。

優れた成果や実績を上げた社員は、昇進することや、より重要な仕事を任されるようになることなどによってモチベーションが上がることもありますが、インセンティブのように金銭として報酬をもらうことで、自身の頑張りをより実感し、モチベーションが上がる場合もあります。

また、販売代理店や支店・チームのように、個人ではなく会社・組織としてインセンティブが支給されることもあります。そのような場合には各自の頑張り・成果によって、会社・組織に与えられる報酬につながるため、インセンティブ制度がチームビルディングにつながることもあります。

インセンティブにはどのような種類があるか

金銭によるもの

代表的なインセンティブとして、金銭によって支給されるインセンティブが挙げられます。

成果や実績に応じて給与に上乗せして支給される場合もあれば、賞与などのタイミングに併せて支給される場合もあります。

また、金銭によるインセンティブにもさまざまな種類があります。

成果件数に比例したインセンティブ

営業職などで契約が取れた場合・正式に発注があった場合などに、1件あたりX円が給与に上乗せされるというようなインセンティブです。基準が明確で、成果や業績がダイレクトに反映されるため、社員にとっては短期的な目標設定がしやすいでしょう。

売り上げなどの実績に比例したインセンティブ

成果を件数ではなく金額換算して、社員が売り上げた金額に対してY%が給与に上乗せされるというインセンティブです。

提案・販売する商品が単一ではなく、価格の差が大きい場合は、成果件数ではなく売り上げなどに応じたインセンティブを払うほうが、社員の貢献度合いを反映しやすくなるといえます。

業績状況に応じたもの

会社の業績に応じて、特定の役職・立場の社員にインセンティブを支給するケースもあります。

特に役員報酬においては、ストックオプションという形式で支給されることもあります。 ストックオプションとは、株式会社の従業員・役員などが、自社株を事前に定められた価格で取得できる権利です。

株価が上昇しているほど、権利行使価格(事前に定められた価格)と現在の価格との差が大きくなります。

株価の変動には、会社の業績が与える影響も大きいため、ストックオプションの権利を付与された従業員・役員の目線では、業績が向上して株価が上昇すると、ストックオプションが報酬として機能します。

また、経済産業省が2020年に発表した「日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査」によると、調査対象企業の約4割が、役員に対して業績連動型の株式報酬(ストックオプション)を導入していることが分かりました。 役員に対するインセンティブとして、ストックオプションを含む業績連動型の株式報酬を導入する企業は少なくないと分かります。 ※参考:日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査

評価による

金銭の支給を伴わずに、社内における表彰などによって成果や業績をたたえる場合もあります。承認されているという感覚・達成感などが、モチベーションを高めることにつながります。 ただし、これらはインセンティブと呼ばない場合も多いです。

物品・サービスによるもの

一定の基準を満たした個人やチームに対して、景品・旅行が贈られるようなインセンティブや、スキル向上のための研修やセミナーへ招待するようなインセンティブもあります。

似た単語・関連する単語

歩合制

ビジネスシーンでは、「歩合制」という言葉もよく聞かれます。こちらも成果や業績に対して給与が支給される制度のことで、大きくは「給与(固定給)+歩合制」か「完全歩合制」のどちらかになります。

成果の件数に応じた、金銭によって支給されるインセンティブとほぼ同義といえます。逆に、業績達成に応じたインセンティブとは少し意味合いが異なります。

ボーナス・賞与

ボーナス・賞与は、会社の業績に応じて社員に支給される臨時の給与のことです。会社によって支給回数や金額は異なりますが、年に2回支給されることが一般的です。

ボーナス・賞与の金額が、特定期間の成果・評価に応じて変動する場合があります。このような変動するボーナス・賞与の金額は、動機付けの要因にもなりうるので、インセンティブとしての機能があるといえます。

ただ、会社にはよるものの、あくまでボーナス・賞与に変動があるだけで、インセンティブと呼ばない場合も多いでしょう。

インセンティブ制度のある企業で働くメリット

年収を大きく高められる場合も

成果や業績に対して報酬がもらえるので、社員に対して広範囲にチャンスがあります。入社からの期間が短い場合でも、成果を上げることで年収を高められます。

同業種・同職種でインセンティブのない企業に勤めている方よりも、年収がかなり高くなるという場合もあり得ます。

成果次第では、大きく年収を高められるという点が、インセンティブ制度のある企業で働く大きなメリットといえるでしょう。

仕事へのモチベーションが上がりやすい場合も

個人の価値観にもよりますが、仕事においてもらえる給与の高さを特に重視する場合、自身の成果・業績が何かしらの形で明確に評価されることに特にやりがいを感じる場合などは、インセンティブ制度があることでモチベーションを高めやすくなるでしょう。

インセンティブ制度のある企業で働くデメリット

収入が安定しない場合も

もとの給与(基本給)設定が低く、インセンティブによって変動する部分が大きい給与体系では、月々の収入が安定しないというデメリットがあります。

インセンティブを得るために成果や業績をコンスタントに上げ続けることは簡単なことではない場合も多いです。毎月の収入を一定以上で安定させたい人などはインセンティブ制度が合わないでしょう。

社内の協力がうまく機能しない場合もある

企業がインセンティブ制度を取り入れる時、ほとんどの場合は企業も注意して制度設計するものです。

しかしながら、制度設計によっては誰かが頑張れば誰かが損をする、あるいは社員同士で成果や業績を取り合うような形になってしまうこともあります。

このような場合には、インセンティブ制度があることによって社内のチームワークや調和が乱れることになるのでデメリットといえます。

インセンティブ制度のある企業で働くべきかどうか

向いている人・いない人

インセンティブ制度は人によっては向いていないということもあります。

年収を大きく高めるチャンスを得たい・成果と評価や報酬が分かりやすく連動してほしいという方には向いているといえます。

一方で、毎月の収入を一定に保ちたい方・成果と報酬が直接的に連動することに抵抗を感じる方などには向いていないといえます。

自身の価値観・働き方をよく考えたうえで、インセンティブ制度がある企業で働くべきかどうかを慎重に判断するとよいでしょう。

自身の仕事の価値観を整理しておくことも大切

インセンティブ制度の有無に限らず、企業選びの際には、あらためて自身の仕事選びの価値観を見直しておくことも大切です。

今よりも年収を大きく高めることや明確な評価基準があることを重視するのであれば、インセンティブ制度のある企業を選ぶことも有力な選択肢となります。

しかし、理念やビジョンに共感することや自身の専門性を生かせることなどを重視するのであれば、インセンティブ制度のある企業である必要はないかもしれません。

自身の理想の働き方をイメージし、それに対してインセンティブ制度がどのように影響するのか、今一度よく考えてみてください。 自身の仕事に対する価値観がまだ明確ではない場合は、入念な自己分析とキャリアの棚卸しが必要になってきます。

しかし、それらを自分だけで進めるには限界があると感じている方もいるかと思います。 そこで自己分析や価値観の整理に転職支援のプロの視点を取り入れるという方法もあります。

ビズリーチでは、登録をすると企業やヘッドハンターからスカウトを受け取ることができます。

ヘッドハンターは多くの人を転職成功へ導く転職支援のプロです。

届いたスカウトから、気になったヘッドハンターに相談をすることで、自身の価値観を整理でき、自分に合った求人に出会える可能性が高まります。

ビズリーチに登録をして、自身の転職の価値観・自身に合った企業を考えてみてはどうでしょうか。