市場価値の意味とは?
転職活動において「市場価値」という言葉が一般的になってきました。 必要なスキルや適正年収という言葉も、書籍や記事で散見されるようになりました。
転職における「市場価値」とは、自分自身の経験・スキルがどのような、そしてどれくらいの企業・組織から必要とされるか、という経験・スキルの評価です。
「市場」の指すところは「転職市場」であり、市場価値とはつまり、「転職市場における自身の価値」ということになります。
市場価値は何によって決まる?
自身の市場価値は、保有しているスキル・経験によって決まります。 スキルの分類の一例としては、特定の業界や職種で必要とされる「テクニカルスキル」と、業種や職種が変わっても通用する「ポータブルスキル」のような分け方があります。 転職市場において求められるスキルは企業や採用ポジションによって変わります。
市場価値が高い状態とは?
企業や組織から必要とされる人材とは、スキルと経験がある人です。
市場のニーズは社会情勢や企業戦略によって変動します。例えば成長している業界や、成長戦略を実現するために必要なスキルを求めている企業に、ニーズが発生します。
そこに当てはまるスキルや経験が多い人ほど社会から必要とされ、転職活動を始めると転職サイト上でたくさんのスカウトを受け取ったり、多くの企業からの内定を得られたりします。
市場価値は変化する
市場価値は変化します。
まず、自分自身がさらなるスキルを身につけ、より多くの経験を積むことによって市場価値が高まるという変化もあれば、社会情勢や企業戦略の変動により、自身の保有しているスキルが変わらないにもかかわらず市場価値が上がることもあります。
市場価値を高める方法
それでは、市場価値を高めるにはどのようなことをすれば良いのか。ビズリーチ会員のデータや声を参考に解説していきます。
スキルを磨く
スキルには、これまで身につけたテクニカルスキルとポータブルスキルなどが該当します
テクニカルスキルとは、特定の業界や職種で必要とされる能力のことです。求人に記載されている「××経験○年」の××に入るものなど、仕事や業務を適切にこなすために必要な能力です。特定の業界の商品知識、ツールやシステムの使用経験なども含まれます。
ポータブルスキルとは、特定の業種や職種、時代背景などに左右されない能力のことです。明確に「○年経験した」と言い切ることのできないものが多いです。対人力、対課題力、対自分力の3つに分けて考えてみましょう。(例:傾聴力→対人力、逆算思考力→対課題力、決断力→対自分力)
ビズリーチでは、5~10個程度のスキルを登録しておくことを推奨しています。ご自身の経歴を振り返りアピールできるものを整理し、より磨きつつ新しいスキルを身につけるために現在の環境でチャレンジしましょう。
スキルの一例
・新規事業立ち上げにあたっての戦略立案・策定能力
・事業立ち上げ・製品開発にあたっての組織マネジメント能力
・継続的な業績向上のための営業戦略立案能力
・ファイナンスの知見を生かした経営課題の分析力
・大規模システム開発におけるプロジェクト管理能力
経験を積む
身につけたスキルを活用してどのような実績をつくったかをアピールする必要があります。
20代でスキルを身につけ、30代から40代で貴重な経験をどれだけ積めるかが市場価値を高めるカギになります。
それではどのような経験・実績が求められているのか、ビズリーチを活用している企業の検索キーワードから分析してみましょう。
最近の人気検索キーワードとは、ビズリーチに登録されている職務経歴書をヘッドハンターや企業が検索する際に「最近よく使っている」検索キーワードのことです。
個人営業の人気検索キーワード
1位 営業 / 2位 不動産
3位 達成 / 4位 1位
5位 売買 / 6位 表彰
7位 仲介 / 8位 リフォーム
9位 受賞 / 10位 MVP
ITエンジニアの人気検索キーワード
1位 JAVA / 2位 要件定義
3位 機械学習 / 4位 営業
5位 クラウド / 6位 Ruby
7位 開発 / 8位 コンサル
9位 プロジェクトマネジメント / 10位 設計
営業では実績や業種に関するキーワードが多く、ITエンジニアでは言語や案件進行にあたっての役割に関するキーワードが人気です。
ビズリーチに登録すると業種や職種ごとの人気検索キーワードを閲覧することが可能です。職務経歴書に書ける経験があるか一度調べてみるのはいかがでしょうか。
社会情勢を読み解く
市場価値を高めるために新たにスキルを身につけるのであれば、時代のニーズを意識する必要があります。社会情勢は常に動いていて、企業が必要としている人物像も時代と共に変化します。
これらを踏まえて、どのようなスキルを身に付けることがもっとも市場価値を高めることになるのか、よく考えてから行動に移すとよいでしょう。
例えば、ビズリーチが発表している「レジュメ検索トレンドランキング2020」では、「SaaS」「クラウド」「AWS」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「IoT」など、DX関連のキーワードが上昇しています。
ビズリーチでは、企業・ヘッドハンターが、求める人物像に合わせてキーワード検索を行うので、トレンド上位のキーワードは採用需要が高まっている、つまりそれらのスキルを身につけることで市場価値を高められる可能性が高いといえます。
転職によって市場価値は高まるのか
「市場価値を高めたい」という理由で転職を考える人は多くいます。ビズリーチ会員を対象にアンケートを実施したところ、転職を考えたきっかけの第2位が「自身の市場価値を上げたいと思ったから」でした(アンケート実施:2020年8月 回答数:947)
どのような場合であれば、転職によって自身の市場価値が高まるのか、具体的に考えてみましょう。
スキル・経験の幅を広げられる場合
転職によって新たなスキルや経験を身につけることも可能です。特にキャリアチェンジにおいては確実にスキルや経験の幅が広がるでしょう。これまでのスキルを磨いて質を高めるよりも、別のスキルを新たに身につけてスキルを増やす方が市場価値の向上につながる場合もあります。
しかし、キャリアチェンジにおいては注意点も必要です。現在の職種・業種で充十なスキル・経験がない状態でのキャリアチェンジを繰り返してしまうと、高く評価されるスキル・経験を身につけることができず、市場価値を高められないという場合もあります。 そのため、現在の職種・業種でもう少しスキルを高めるべきか、キャリアチェンジでスキルの幅を広げるべきか、慎重に見極める必要があります。
役職が変わる・裁量権が広がる場合
業種・職種が転職前後で変わらなくても、役職が変わる(例:管理職になる)・裁量が前職より大きくなるなどの理由で市場価値の向上につながる場合があります。
管理職になることによってマネジメントスキルやネゴシエーションスキルのような対人系のスキルが身につき、また裁量大きくなったことにより、意思決定のスキルや問題解決のスキルなど思考系のスキルが身につく場合は多いです。
これらは業種・職種を問わないポータブルスキルに分類され、自身の市場価値の向上につながります。
転職すれば必ず市場価値が高まるというわけではない
転職によって必ずしも市場価値が高まるわけではありません。転職した先の業務内容が想定と違った、あるいは社風が合わないなど、何らかのミスマッチが起こってしまった場合には、転職先で市場価値を高めることが難しくなります。
また、これまでのスキルや経験を生かすことができない場合には、逆に市場価値が下がってしまうことも考えられます。転職では自身のスキルや経験を生かすことができて、かつ新しい学びがある環境を選ぶことをおすすめします。
現在の市場価値を診断する
現在の市場価値を知るにはどうすればいいでしょうか。 ビズリーチ会員の7割以上は市場価値を知るためにビズリーチを利用しています。企業やヘッドハンターからスカウトを受け取ることで、あなたの市場価値を知ることができます。
例えば、すでに金融業界における営業経験がある方に、そのスキル・経験を生かせる外資系投資銀行のセールスポジションや大手日系メーカーの営業職のスカウトが届くというように、新しい業界やキャリアの選択肢を知ることができます。
また複数のオファーが届くことで、自身の適正年収の把握もできます。
自己分析と職務経歴書の作成を行う
スカウトを受け取るためには、あなたの現状をしっかり記載した職務経歴書の作成が必要です。そのためには自己分析やスキル・キャリア経験の棚卸しがカギになります。
ビズリーチ会員に実施した転職活動に関するアンケート(実施:2020年3月、回答数:1,786)によると転職活動の際に行っておいてよかったと思うことは、自己分析や、やりたい業務の明確化などでした。
客観的な評価を含めた自己分析という意味では、市場価値の把握も自己分析に含まれます
転職活動では、これまでのキャリアを振り返り、自分ができることを整理しつつ、今後やっていきたいことや業務を明確にすることが重要です。
また、業務の内容だけではなく、志向性や働き方の価値観を考えることも忘れてはいけません。
これらを行っておくことによって、職務経歴書の作成に役立つことはもちろん、面談・面接でも一貫性のある志望動機を話すことや自己アピールができるようになります。
十分に時間をとって、自己分析やスキル・キャリアの棚卸しを行うことをおすすめします。
ヘッドハンター・転職エージェントに相談
自己分析やキャリアの棚卸しを行い、職務経歴書を作成する段階においては、ヘッドハンター・転職エージェントなどの転職支援のプロフェッショナルに相談することも有効な手段の一つです。
ビズリーチでは「転職活動とヘッドハンターについて」というアンケート(実施:2019年6月、回答数:968)を会員向けに実施しました 。
そのアンケートにて、 ヘッドハンターに相談して得られたメリットとしては、下記のような点が挙げられました。
Q.ヘッドハンターと会うことで、どのようなメリットが得られましたか?
1位 | キャリアの棚卸しができた |
---|---|
2位 | 自分のスキルレベルがわかった |
3位 | 自分の適正年収がわかった |
4位 | 自分の希望条件以上の求人を紹介してもらえた |
5位 | メリットはなかった |
6位 | 転職できた |
「その他」を選択された方の回答より ・自分の可能性についての考えが広がった ・興味深い会社を紹介してもらえた ・業界の動向や転職市場の状況について理解できた
上記のとおり、ヘッドハンター(転職エージェント)に会うことで、自分一人ではなかなか行いにくい「キャリアの棚卸し」ができたり、スキルレベルや適正年収などの客観的な情報・アドバイスをもらえたりする点にメリットを感じる人が多いようです。
また、転職をするしないにかかわらず、約3割の方はヘッドハンターと面談をしたことがあると回答しています。
転職のプロフェッショナルであるヘッドハンターとの出会いは、今後のキャリア形成のカギになるかもしれません。ぜひこの機会に、あなたに合うヘッドハンターを見つけてください。
市場価値を高めてから転職活動するべきか
「市場価値が低いから転職できないのではないか」「市場価値を高めてから転職しよう」という声も多く、スキルを磨こうという向上心は大切なものではありますが、一方で市場価値は社会情勢や企業戦略によって変動します。
現状のあなたのスキルを求めている企業がいる可能性があります。まずはスカウトを受け取ってみることやヘッドハンター・転職エージェントに相談し現状把握をすることをオススメします。
思いもよらない求人との出会いや、どのようなスキルや経験を身につけるべきかの発見につながります。
ぜひビズリーチに登録して、スカウトを受け取ってみませんか。