
きっかけは「勉強会」
ちょっと変わった経緯で転職されたそうですね。
転職する意志は固めていたのですが、「転職サービスに登録しようかな」と思っていた頃に、現職のエーテンラボに転職することが決まりました。結果として、転職活動らしいことはほぼ何もせず、新しい会社に移ることになりました。
知人の紹介、いわゆるリファーラルでの入社ということでしょうか。
いえ、そうではありません。エーテンラボには特に知り合いはいませんでした。知っていたのは、提供している習慣化アプリ「みんチャレ」の方です。 もともと同アプリのユーザーだったのですが、使っていたらある日、ソフトウエア開発の裏舞台や使用している技術などについての「エンジニア向け勉強会」の案内がアプリに表示されました。 いちエンジニアとして興味があったので勉強会に参加したら、最後にアンケートがありました。会の評価などに関する設問のほかに、「当社についてもっと知りたいですか」といった項目があり、「はい」と答えたら、採用の会社説明会の案内が送られてきました。
エンジニアの世界では、リファーラルやSNSのつながり経由での転職が少なくないと聞きますが、そうした企業が提供するアプリ経由というのもあるんですね。
どれだけの企業が採用目的で実施しているかは分かりませんが、開発の裏話などを話す「勉強会イベント」はよくありますね。個人向けのアプリでユーザーにエンジニアが多いのであれば、自社アプリでそうした案内を出すケースは見聞きします。 私も多い時は、毎月のようにそうした勉強会に参加していました。ただ転職する意思がなかったので、「会社の説明を聞きたいか」という質問に「はい」と答えたことはありませんでした。なので、現職の勉強会から採用のフローに移っていった時は「こうやって選考につながっていくんだ」と思った覚えがあります。
転職活動前に「半年後に辞める」と会社に伝達
現職には2022年7月に入社されています。なぜ、転職を検討していたのですか。
前職は社員30人ほどのIT系受託開発会社で、主に企業からの依頼を受けてモバイルアプリを開発していました。限られた人数で多くのクライアントを抱えていたこともあり、数カ月単位でさまざまなクライアントのプロジェクトを次々にこなしていくような業務をしていました。個人的にはより長期の視点で、クライアントからレビューを受け、開発したものをじっくり磨き上げていくような仕事もしたかったのですが、そうした機会は得られませんでした。 また、エンジニアとしての開発業務のほかに、総務や採用などの業務も兼務していました。業務自体は誰かがやる必要があることですし、個人的にも嫌ではなかったのですが、開発業務に関わる時間が減ることで、エンジニアとしてのスキルを伸ばしにくくなることは危惧していました。 かねて担当替えの希望は出していたのですが、自分が我を通すと、ほかの誰かに「望まない仕事」を押し付けることにもなりかねません。「やりたくないこと」を誰かに押し付けて、同じ社内で好きなことをするのも気持ちのいいものではないので、2022年の春ごろに「半年後には退職したい」と伝えていました。
退職の意思を伝えたのは、現職の選考を受けた後だったのでしょうか。
いえ、先ほどお話しした勉強会に参加する前です。なので退職後のアテは何もない状態でした。ただ半年あれば転職先を見つけられるだろうと思っていましたし、前職は小所帯でしたから、自分の後任を採用するという観点からも、早めに伝えたほうがいいだろうと思いました。
次が決まっていないとなると、前職の引き留めなどもありそうです。
詳細はお話しできませんが、確かにさまざまな交渉がありました。でも私としては、退職の意思を伝えた以上、残るつもりはありませんでした。先ほどお話しした「長期視点での開発業務に従事すること」「総務など開発以外の業務から外れること」といった、自分に有利な条件を引き出して残っても、ほかのメンバーに対してうしろめたさを感じてしまうと思ったからです。
そうしたなかで、エーテンラボの勉強会から採用選考に進んだわけですね。
はい。もともとみんチャレのアプリにはいい印象を持っていましたし、勉強会やその後の会社説明会でも印象はさらによくなりました。選考前の面談から内定まで、1カ月ほどで終わりました。選考自体は順調で、「長期視点で開発に専念したい」という業務上の希望もかなえられそうだったので、自分自身が思っているよりも早く、転職先が決まりました。

他社の選考は受けず
すると、選考を受けるなど、転職先として検討したのは1社だけということでしょうか。
そうですね。
すぐに内定が出たのならば余計に、「ほかにもっといい条件の転職先があるのでは」と可能性を探りたくなってしまいそうです。
キャリア上、開発に専念できる環境を得ることを優先していたので、年収などの条件にはあまりこだわっていませんでした。「ほかにもっといいところがあるかも」という思いがなかったと言えばうそになりますが、お話ししたようにみんチャレのアプリには好印象を持っていたので、これ以上の転職先に出会える可能性は低そうだなと思いました。 前職の業務もありましたし、これ以上、転職活動に労力をかけてもコスパが悪いだろうな、と。
現職や提供アプリのどのあたりに好印象を抱いていたのでしょう。
みんチャレはごく簡単に言うと、同じ目標を持つ人同士が5人1組でチームを組んで励まし合いながら習慣化を目指すアプリです。 私はもともと飽きやすい性格で、個人的な課題意識にアプリのコンセプトが完全にフィットしていたんですよね。エンジニアの仕事って、新しい技術や手法について日々勉強をしていかなければなりませんが、一人だけではモチベーションを保てないことは珍しくありません。 ユーザーとしてアプリに満足していましたし、だからこそそのアプリが開発された背景にある会社の理念「行動変容でみんなを幸せにする」に対しても、とても共感しました。内定受諾前にチームメンバーとなる8人の社員と話をさせてもらう機会ももらい、同僚に対する印象もよかったので、むしろ決めない理由がありませんでした。
想定より早い1カ月ほどで決まったということは、前職で約束した「半年後」の期限まで5カ月くらいありますが、入社時期の前倒しなどは考えませんでしたか。
約束だったので、もともとの時期で退職しました。現職のエーテンラボも「待つので円満に退社してください」と言ってくれましたし。
入社されていかがですか。
クライアントからの受託開発ではなく、自社のモバイルアプリの開発を手掛けているので、ユーザーの反応がダイレクトに分かります。実際、少し前に追加した機能の反応を受けて、まさに改善の手だてを講じているところです。業務内容は「まさにこういうことをしたかった」という感じで、転職してよかったと思っています。
キャリア上の展望があればお聞かせください。
今は要件が固まったものを、アプリの機能に落とし込むという仕事をしていますが、経験を積んで、要求から要件をまとめて、アプリの機能として開発するところまでを担っていけるようになりたいですね。 本記事についての簡単なアンケートにご協力をお願いします。 アンケートはこちら
掲載日:2024年4月12日