転職の限界年齢は本当か?
年齢と転職に関する俗説は多い
転職と年齢の関係性については諸説ありますが、実際のところほとんどが根拠のない「俗説」となっています。
一般的には年齢が上がるほど転職は難しいとされていますが、業務内容や採用ポジションなども含めて考えると、年齢に関係なく「自分にマッチする求人」は存在しています。
35歳限界説は誤解
「35歳限界説」や「35歳の壁」という言葉があるように、35歳以上の転職が難しいという話はよく聞きます。
しかし、ビズリーチ利用者の転職実績では、転職者の6割が35歳以上となっております(2018年6月時点)。
あくまでビズリーチの実績とはなりますが、過半数の人が35歳以上で転職に成功していることを踏まえると「35歳だから転職が難しい」という判断は早計といえます。
なぜ年齢に関連した限界説が出てくるのか
35歳以上が難しいといわれる背景として、年齢が上がることに伴い期待される役割の変化・求職者自身の希望条件の変化が挙げられます。
たとえば20代においては、ポテンシャル採用のような経験・スキルを問わない採用や、経験を問う場合もその業界・職種の経験が3年以上であれば問題ないという採用など、将来性や成長を考慮した、厳しくない条件の求人に応募するケースが多いです。
一方で30代、特に30代後半になると、多くの場合は社会人経験を10年以上積んでいることになります。そのため、採用企業は高い専門性やスキル、マネジメントの経験などを求めることが多くなります。
このように、年齢が高まることに伴って期待されるスキルや経験、役割などが変化することが35歳以上の転職は難しいといわれる大きな要因だといえます。また応募する求職者としても、20代の頃と比べると、希望年収が高くなっている場合や、希望する業務内容や裁量権へのこだわりが強くなっている場合などは、転職先の候補となり得る企業・求人が少ないと感じるかもしれません。 したがって、年齢に伴う転職の難しさというのは、年齢・年代別に期待される役割の変化・自身の希望の変化があることで、求人数が少なく感じられることにあるといえます。
年齢・年代別の転職成功のポイント
年齢・年代ごとに転職で意識すべきポイントというものは確かに存在します。転職の成功のためには、自身の年齢に応じた対策が必要になってきます。
20代の転職の成功のポイント
20代の転職においては、企業は選考に際してスキルや経験を問うよりはポテンシャルで評価する傾向があり、また求職者もこれまでのスキルや経験をリセットして新しい職種・業種にチャレンジしようとする傾向があります。
しかし、だからといって20代の転職が他の年代に比べて有利ということではありません。特定の業種・職種における高水準の経験・スキルを求められる場合、20代の社会人経験の年数では、求められる水準を満たせないこともあります。
また、20代の転職は業種・職種を変えるというパターンも多いですが、その後のキャリア形成を考えると、20代の転職とはいえキャリアチェンジをすることには注意が必要です。 20代のうちに2度も3度もキャリアチェンジをしてしまうと、専門性が曖昧になる場合があります。
30代以降の転職では、同じ業種・職種での転職においても、キャリアチェンジを試みる転職においても、それまでの専門性がさらに重視されるようになります。
その際にアピールできる専門性がないと、転職において不利になることもありますので、キャリアチェンジをすべきなのか、今の業種・職種の専門性を高めるべきなのか、見極めが大切です。
30代の転職の成功のポイント
30代の転職は、20代の転職に比べると即戦力として期待される場合が多くなります。そのため、採用する企業側も、即戦力として活躍できるだけのスキル・経験を有しているかをより注視します。 30代であれば、一定の年数は社会人として働いている方が多いと思いますので、アピールできる経験・スキルが何かしらあるはずです。そういったスキル・経験をしっかり整理したうえで、応募する求人に合わせて、書類選考・面接においてアピールすることが大変重要となります。 書類選考・職務経歴書においては、応募する企業ごとに候補者に対して求めているものが違うので、自身が採用ポジションにおいて即戦力になるということを効果的にアピールする必要があります。 企業が候補者を即戦力のある人材かどうかを見極めるためには、前職での成果が大きな手がかりとなります。自分自身が「何を行っている会社で」「~年」「何をしたのか」を明確にし、そのうえで「何ができるのか、何に秀でているのか」が分かるように記載しましょう。 注意したいのは、経験とその成果は具体的な数字や事実で表現し、主観的な内容や表現は排除して客観的に伝えることです。長すぎると逆効果なので、伝えたいことに優先順位をつけ簡潔にまとめるとよいでしょう。
40代の転職の成功のポイント
40代の転職は、20代・30代と比べるとマッチする求人数が少ない傾向にあります。20代・30代ではポテンシャル採用や次期マネージャー候補としての採用などが多いですが、それに対して、40代では高い専門性を見込んだ採用やマネージャー・管理職としての採用などが多いために、どうしても40代向けの求人数自体は少なくなってしまうからです。しかし、求人数が少ないからといって転職成功者が少ないということではありません。大切なのは求人数そのものでははく、自分に合った求人を見つけることです。スキルや経験が蓄積された40代こそ、自身の能力を存分に発揮できる採用ポジションと巡り合う可能性は高いのではないでしょうか。 40代の転職で有利になる経験の一つが、管理・マネジメント経験です。組織・チームを率いた経験のある方は、職務経歴書や面接において、その経験をアピールすることを推奨します。 また、これまでに複数回の転職を経験しているのであれば、転職回数の多さがマイナス評価とならないように注意することも大事です。これまでのスキルや経験と自身のキャリアプランとの整合性などをきちんと面接で伝えられるように準備しておきましょう。
50代の転職の成功のポイント
50代を想定した求人では、高い専門性・スキルを持った方、組織のマネジメント経験のある方などを対象とした求人の比率が高くなります。 自身の希望条件を完全に満たす求人数はかなり少なくなってしまう、もしくは見つからない場合もあります。そのため、転職にあたっての希望条件の優先順位を決めておくことが、他の年代の転職以上に重要になります。50代であれば、生活との兼ね合いなどから自身の希望もはっきりしているので、転職において譲れる条件・譲れない条件は何であるかを明確にしておくことが大切です。 50代の転職は、30代・40代の方ではなかなか採用要件を満たせないような、高い専門性やスキルが必要な求人があります。役員クラス・管理職の求人に応募する場合もあるので、これまでのスキルと経験を十分に整理して、選考に臨みましょう。
年齢ではなくスキルを軸に求人を選ぶ
中途採用で重要なのは経験・スキル
中途採用で重視されるのは、候補者のスキルや経験です。中途採用市場では「即戦力となる人材かどうか」が重要なチェックポイントです。 ビズリーチが行ったアンケートでは、面接で担当者がチェックするポイントとして、「今までの経験や実績」が初回面接においては1位、最終面接においては2位となっています。 (アンケート実施:2019年10月、回答数:210)
転職と年齢が全く無関係とは言い切れませんが、いずれの年代の転職活動でもこれまでのスキルや経験を整理し、自身の強みを効果的に伝え、即戦力となる人材であることをアピールすることが大事なのではないでしょうか。
スキルに合ったスカウトを受け取る
いずれの年代においても、今の自分自身のスキルや経験でどのような選択肢があるかを知っておくことは大事です。 自身のスキル・経験の評価を把握するには、転職支援のプロであるヘッドハンターに相談することや、企業からの求人案内を受け取ることなどが有効です。 ビズリーチでは、会員登録すると、複数の転職エージェントやヘッドハンターからスカウトが届き、今の自分が採用される可能性のある求人を知ることができます。 ビズリーチに登録してスカウトを受け取り、自身のスキル・経験への評価を把握してみてはいかがでしょうか。