全ての人に平等な医療を。日本の心で世界を変える
国際的な医療支援活動を展開する特定非営利活動法人ジャパンハート。関わる人全てが満足する高いホスピタリティーの実現を目指して、途上国で社会福祉の向上に貢献しています。なぜ途上国で医療を提供しているのか、ジャパンハートが描く未来とは。今回、最高顧問で小児外科医の吉岡秀人氏、現地で活躍する森徳郎氏、早坂恭一氏にお話を伺いました。
本ページの求人の募集は終了しました。
募集期間:2020年3月26日(木)〜 2020年4月22日(水)
本ページの求人は、「プレミアムステージ」をご利用でなくても、ビズリーチ会員であればどなたでも閲覧、応募が可能です。
過去と未来をつなぐ医療活動とは
最高顧問 小児外科医/吉岡 秀人
──はじめに、ジャパンハートを立ち上げた背景と経緯についてお教えください。
日本で勤務医をしていた頃、アジア・太平洋戦争中にミャンマーでご家族や友人を亡くされた慰霊団の方々が、同地を訪問されたときに同行したことが始まりでした。戦時中、ミャンマーでは多くの日本人が命を落とす一方、撤退する兵士に現地の人々が水や食料を与え、生還を手助けしてくれたそうです。
戦後、現地の人々が貧困により命を落としているのを知った慰霊団は、同地での医療の提供を望んでいました。「慰霊がいつか終わりを迎えることになっても、戦時中に命を落とした家族たちが眠るミャンマーで人々を助けることが、亡くなった彼らへの慰霊になるはず」。その願いに応える形で活動を開始しました。
2004年にジャパンハートを設立し、現在では150名以上のスタッフだけでなく、年間700名を超えるボランティアの方々が活動に参加してくれています。
──ジャパンハートが掲げるミッション「医療の届かないところに医療を届ける」には、どのような思いが込められているのでしょうか。
私たちの医療活動とは「過去と未来をつなぐ」ことです。先述の慰霊団には、かつて戦争で亡くなられた人々の慰霊として、ミャンマーの人々の命を救ってほしいという思いがありました。つまり私たちは、過去の命と今の命を「つないでいる」ということです。
医療という概念を大きな文脈で捉えて、医療者も非医療者も巻き込んだ社会貢献活動を推進していきたい、未来をつくっていきたいという思いで日々活動しています。
──これまでに展開されてきた医療支援活動についてお教えください。
2016年にはカンボジアにジャパンハート医療センター(現・ジャパンハートこども医療センター)を開院し、日本から専門医療チームを招聘(しょうへい)して、小児がんや難病の手術が行えるようになりました。ミャンマーでは公立病院と連携し、2018年に同国初の小児生体肝移植手術を実施しています。このように医療提供の拡大を進めた結果、設立してから治療件数は2019年に延べ20万件を超えました。
それぞれの個性や価値観を尊重し命を大切にする世界へ
──国際医療ボランティアを行ううえでの課題にはどのようなものがありますか。
私たちは「医療は患者のためにある」をモットーにしていますが、それを妨げる全てが課題です。難病に対する治療法の開発、貧困による格差の是正などが挙げられますが、最大の壁は国家という目に見えない枠組みであると考えています。
この大きな壁に立ち向かわなければならない。それぞれの国でそれぞれの人々の幸福の最大化を目指し、旧態依然とした感覚を切り崩していくのが私たちの役割です。
──ジャパンハートが目指す未来や世界観についてお聞かせください。
ジャパンハートの取り組みは、一言に集約すると平和活動です。私たちが何十万人ものアジアの人々を救うことで、そのことを覚えていてくれた現地の人たちは、未来の日本が何らかの危機にひんしたときにきっと助けてくれる。人と人の確かなつながりこそが平和構築と言っていい。その手段が医療であるというだけです。
私たちが目指しているのは、全ての人が「生まれてきてよかった」と思える世界の実現です。一人一人の異なる個性や価値観を尊重し、たった一つの命を大切にする。そのような世界を実現することが、私たちのミッションであり、医療をしている理由なのです。
そのアクションが世界を変えるきっかけになる
海外事業統括部 ミャンマー ワッチェ慈善病院 ディレクター 兼 長期滞在医師/森 徳郎
──ジャパンハートへの転職のきっかけ、入職の決め手を教えていただけますか。
日本で医師として7年間働き、今後のキャリアを考えたとき、海外に身を置いて挑戦したいという思いが芽生えました。ジャパンハートのミッションは、医療者からすると根源的な感情に訴えかけるものがあります。困っている人を助けたい、だったらより困っている人がいるところに行ったほうが自分の価値を相対的に大きくできると考え、入職を決意しました。
──入職後、現ポジションに至るまでのキャリアの歩みについてお教えください。
カンボジアやミャンマーでの長期ボランティア医師を経て、2018年7月からミャンマーのワッチェ慈善病院のプロジェクトコーディネーターを務めました。現在は、同病院のディレクターとして、主に人事や予算管理をはじめ、各種プロジェクト推進に向けて、支援企業との予算の折衝を行っています。ミャンマーでは新規事業として、1,000床規模の近隣病院での活動を新たに開始することとなり、安全な医療の提供体制拡大を目指しています。
多くの価値を提供できる途上国の医療
──森さんが感じる医療ボランティア支援業務の仕事の魅力・やりがいについてお聞かせください。
世界で本当に困っている人々の役に立てることが最大の魅力ですね。助けが必要な人を助けることで、より多くの価値を提供できるのが途上国の医療です。
海外の医療の現場で仕事をすることは、その地域にどんな課題があるかを細かく分析し、それをどのように理想的な形に変えていくかというビジョンを持つことが重要です。そのビジョンを組織の活動を通して、形にしていくことがやりがいにつながっています。
──募集するポジションの業務はどのような内容ですか。
ラオスの事業責任者は、予算管理や人事、関係機関との対外的な交渉、東京事務局と連携して広報活動やボランティア誘致のコーディネートを行います。期待しているのは、取り組むべき課題を明確化し、優先順位をつけて、具体的なアクションプランの策定から実行までを主導していただくことです。特に子供の外科医療にはさまざまな課題があり推進力が必要とされるので、ぜひ一緒にさまざまなプロジェクトを動かしていきましょう。
カンボジアの事業責任者は、病院での各種事業の運営に取り組んでいただきます。活動の中枢となる新病院を設立する計画も進行中です。現地のスタッフと連携しながら、医療を多くの人々に届けられるようにしていただきたいですね。
──募集ポジションの面白さはどのようなところにありますか。
人の命を助けるために、何をするかという土台作りに携われることが面白いところですね。実際に医療行為をするのは医療スタッフですが、その土台をどこに、どのような形で作るかを議論し、よりよい医療を提供できるように注力しています。
私たちのリソースだけでは世界を変えることはできませんが、世界を変える最初のきっかけになると確信しています。
全ての力を投入できる環境がここに
ミャンマー ヤンゴン事務局 マネージングディレクター/早坂 恭一
──早坂さんは製薬業界から転職されたそうですが、なぜ国際協力の分野にキャリアチェンジしようと考えたのでしょうか。
もともと外科医として、さまざまな人の命を救いたいという夢がありました。大学受験で進路変更をし、健康や医療に興味があることから新卒で製薬会社を選びました。
ですが、入社した製薬会社では、売り上げが最優先という傾向を感じていました。医療に対して抱いていた理想像を見失っていたとき、東日本大震災が発生。震災発生時は薬の物流が滞らないように、営業車に必要な薬剤を確保して各施設を回りました。そのときに初めて、医療従事者から「来てくれてありがとう」と感謝され、やっと自分の仕事を通じて世の中に貢献できたと感じました。その経験が「自分がしたいことは何か」と問いかけるきっかけになりましたね。
その後、会社を辞めて、海外の大学院で医療の政策や行政を学び、ジャパンハートに入職しました。
──海外で医療支援に携わるには相当な決意があったと思いますが、早坂さんが仕事をするうえで、大切にしている軸や仕事観とはどういったものでしょうか。
給与や待遇をキャリアアップの基準に置かず、自分が仕事をしていて楽しいと思えるかに軸を置きました。大切にしているのは、人を助けたいという心や思いです。今の仕事は全ての力を投入できる環境にあり、やりがいを持って働いていますよ。
──現在、担当している業務内容についてお聞かせください。
ミャンマーで行われている全事業の管理統括を行っています。保険制度の整っていないミャンマーでは、医療費は高額で貧しい農村地域の人々は医療を受けられません。その課題の解決に向けて、ミャンマーでは医療と社会福祉を事業の柱にして、活動しています。
特に医療事業は、創立当初からワッチェ慈善病院で医療活動を展開。その実績からジャパンハートの医療活動は、ミャンマー全土に知れ渡るようになりました。
意志と行動で未来を変えていく
──ジャパンハートの仕事を通して、どのような経験を得られますか。
自分の意志と行動で、現実を変えられるという実感を得られることですね。現地では、途上国における医療の現実に対峙(たいじ)し、この現状をどうするかが日々、問われています。自分が関わった活動で人々の未来が変わることは、まさに草の根活動の醍醐味と感じています。
──働いてみて分かったジャパンハートの魅力や強みをお教えください。
自分がやりたいと思ったことがジャパンハートのビジョン、ミッションに合ってさえいれば、主体的に新しいコンセプトを生み出し、実行できるところですね。また、さまざまなしがらみを抜きにして、現実に切り込めるのも魅力です。
私はこれまで、ビジネスの世界では、お金や数字などを強く意識しなければいけないのが一番の悩みでした。今は必要なことをためらいなくやっていける環境にあります。現地の人のために何が役に立つか、全力でコミットできる喜びがここにあります。
募集職種
-
【カンボジア・ラオス駐在】国際医療NGOの拠点責任者
国際医療NGOであるジャパンハートでは、「医療の届かないところに医療を届ける」をミッションに掲げ、これまで20万件の治療を実施し、ミャンマーで始めた活動は、東南アジアを中心に6カ国で展開してきました。 そのうち、カンボジア・ラオスでの活動を今後さらに促進させていきたいと考えており、この2拠点で拠点責任者を募集します。 ■カンボジア責任者 カンボジアでは2008年より活動を開始。 2016年にはジャパンハート初となる私立病院を開院し、医療にアクセスできない人々に無償で医療を提供しています。 現在、この病院では新たに小児科病棟を増築し小児がん治療を含む小児全般の診療が可能となりました。 スタッフは約100名在籍しており、将来的にジャパンハートの活動中枢となる病院を新たに設立する計画も現在進行中です。 既存病院の経営全般に加え、上記新規病院設立プロジェクトをリードいただける拠点責任者を募集いたします。 具体的な仕事内容は下記です。 ・既存病院(ジャパンハートこども医療センター、約200床)の病院経営 ・拠点の運営全般 事務所の運営、会計管理、人事管理の監督 ・予算作成と執行管理 ・政府機関等との折衝 ・他NGO・国際機関とのネットワーキング ・東京本部との連絡・調整 ■ラオス責任者 ラオスは2012年にオフィスを開設。 日本人スタッフ5名を含めた十数名で運営しております。 ラオスにはジャパンハートの病院はなく、公立病院と提携し、定期的に医療チームを派遣する形で手術を行っておりますが、今後活動の幅を広げていきたいと考えております。 「医療の届かないところに医療を届ける」というミッションを元に、ラオスの医療にどう貢献できるのか、そのためには何を行っていくのか、どのように事業を推進していくのか、ゼロベースで構築いただける方を求めております。 取り組むべき課題を明確化し、優先順位をつけ、具体的なアクションプランの策定、実行までを主導いただく拠点責任者を募集いたします。 具体的な仕事内容は下記です。 ・ラオスにおけるプロジェクト立案・推進・管理 主に医療事業・社会福祉事業、その他新規事業等を立案し、また、現在行っているプロジェクトも含め、ラオス政府と対話しながら現地のニーズに合わせて調整し、推進していく業務 ・拠点の運営全般 事務所の運営、会計管理、人事管理の監督 ・予算作成と執行管理 ・政府機関等との折衝 ・他NGO、国際機関とのネットワーキング ・東京本部との連絡・調整