慶應義塾

慶應義塾

世界を先導する大学へ。ビジネス視点で経営改革

日本を代表する大学であり、社会の先導役たろうとする慶應義塾は、さらなる革新に向け塾長や理事をサポートする塾長室で経営企画のプロフェッショナルを募集します。2021年、実業界での実績豊富な理事を迎えるなど新たな動きを加速させるなか、慶應義塾が見据える将来像、背景にある狙い、募集ポジションの魅力などについて、塾長の伊藤公平氏と、常任理事の山岸広太郎氏に伺いました。

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募集期間:2021年12月21日(火)〜 2022年1月17日(月)

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  • 世界を正しく導く挑戦を

    塾長/伊藤 公平(右) ──産業構造や価値観の変化が激しい現代において、慶應義塾または日本の高等教育に求められていることとはなんでしょうか。現状のご認識と課題意識をお聞かせください。 現代の日本社会は、民主主義、資本主義、安全保障、エネルギー・食料、地球環境、少子高齢化といったさまざまな問題が複雑に重なり合い、非常に未来の見通しが不透明な状況になっていると感じています。これから先、50年以上を生きる若者とその子孫がどのような社会を作っていけるか、そしてそのために必要な環境を提供できるかは日本全体の大きな課題といえると思います。 慶應義塾の創設者・福澤諭吉は、幕末から明治維新への変革期にいち早く世界に目を向け、当時の最先端の「洋学」を取り入れました。出自や身分に関係なく正しい学問に励み、一人一人が知的人格者として独立すれば、よい家族、地域、国家が形成できると説き、わが国の若者を大いに勇気づけ、文明開化を牽引しました。 先行きが見通しにくい現代は、幕末とどこか似た部分があります。課題に正面から向き合い、これからの世界を正しく導く挑戦が必要です。「若い世代が力を合わせ、そうした挑戦ができる環境」を提供することが、慶應義塾や日本の高等教育機関に求められていると思います。

    社会の先を行く施策の実行を

    ──その課題意識について、慶應義塾がこれまで取り組んでいることと、これから果たしていきたいとお考えの施策について教えてください。 慶應義塾では、世紀が変わった2001年に基本方針の「21世紀グランドデザイン:感動教育実践・知的価値創造・実業世界開拓」を発表しました。以下の項目を目標に掲げ、理事会、評議員会、教職員が一丸となって取り組んできました。 教育先導:社会交流教育、智徳教養教育、自尊共生人間形成、生涯教育、e-learning 学術先導:国際競争力にあふれた独創的研究と21世紀国際社会への貢献 新実業先導:新しいビジネス教育、ベンチャー教育 知識・スキル先導:プロフェッショナル教育、新しい知識、コンテンツ集積と発信 知的社会基盤先導:環境・健康・政策・行政・情報・技術・治療等の総合による未来生活の場 キャンパス環境先導:学術・文化・健康・共生関係等を創発するキャンパス環境 上記の21世紀グランドデザイン発表から20年。数々の目標を達成してきましたが、社会はさらに急激な変化を続けています。今、そしてこれからの慶應義塾に求められるのは、社会の変化の先を行く施策の企画と実行です。慶應義塾が全社会の先導者として認知され、各国政府・自治体・企業・非営利団体等がこれからの社会のあり方やビジネスの方向性を検討するときに、レファレンス(参照基準)となる。慶應義塾はそんな存在でありたいと考えています。

    ──今回、塾長室で経営企画のプロフェッショナルを募集されています。塾長室の機能をどのように強化しようとお考えなのか、そして組織運営上の狙いについて教えてください。 社会の変化の先を行く存在であるためには2つの要素が不可欠です。一つは慶應義塾として全世界に目を向け、社会との対話を深めながら、社会の短期的な流れを的確に読み取り、その先を行く企画を検討し、実行案に落とし込むことです。そのために塾長室には、塾長・常任理事やその他の教職員とともに、世界的な視点に立ってさまざまな施策を大胆に企画し、実行していく機能が求められます。 もう一つの要素は、これからの社会を生きる塾生(学生)たちの議論を喚起し、彼・彼女たちが積極的に施策を提案・企画していくシステムの構築です。何事に関しても同じことがいえますが、与えられたものではなく、自らの考えで企画してこそ、実行に力が入ります。特にこれからの社会を創っていくという未来社会デザインでは塾生の主体性が不可欠です。その調整を塾長室が担います。 ──2021年、ビジネス経験が豊富な山岸広太郎氏を理事に迎えられています。こうした方に大学経営に参画してもらう意義、期待することについてお聞かせください。 福澤諭吉は「学問のすゝめ」を通して「実学(サイヤンス)」、すなわち実社会での学びの土台として普遍的に存在する基礎学問の大切さを説きました。実践の場で力を発揮するために必要とされる教養や科学力は一夜漬けの連続で修められるものではありません。理想を掲げて議論を重ね、世界のこれからを一緒に創る仲間とともに学者から学び、学者にも教えていくものであります。 特に気をつけなければならないのは、大学の学問と実社会との距離が広がることです。学問と社会の間にギャップが存在することを指摘されることがありますが、このギャップをどのように埋めるかを山岸さんという社会を先導してきたリーダーに考えてもらいたいと願い、理事に就任していただきました。 ──慶應義塾が大事にしている理念と、中長期的に描く将来像についてお聞かせください。 1896年、福澤諭吉は慶應義塾の目的を以下のとおり述べています。「慶應義塾は単に一所の学塾として自から甘んずるを得ず。其目的は我日本国中に於ける気品の泉源、智徳の模範たらんことを期し、之を実際にしては居家、処世、立国の本旨を明にして、之を口に言ふのみにあらず、躬行実践、以て全社会の先導者たらんことを欲するものなり」 この目的に基づき、慶應義塾のこれからの4年間のビジョンとして「未来の先導者、グローバルシチズンとしての理想の追求」を掲げ、学問による以下の5本の柱の追求を目指すプログラム策定に取り組んでいきます。 1. 民主主義と社会平和の健全な発展 2. 協生社会の実現と経済社会の維持 3. 持続可能な社会の構築と生活の質の向上 4. 科学技術の革新と自然環境の保全 5. 医療・データサイエンスの新展開による健康で幸福な人生の達成 10年後(2031年)、30年後(2051年)、50年後(2071年)の社会のあり方に対する教職員と塾生の当事者意識を徹底的に高め、未来先導に集中できる場を整えるプログラムを企画立案していきます。 慶應義塾が研究で世界をリードすることは重要です。しかしそれ以上に、全社会の先導者として認知されること。そしてこれからの社会のあり方やビジネスの方向性を検討するときに、慶應義塾をレファレンスにしようと思ってもらえること。そのような存在になることが将来像です。そこで、そのための企画立案に尽力していただける塾長室スタッフを募集します。

  • 大学経営をアップデート

    常任理事/山岸 広太郎 ──今回募集する経営企画プロフェッショナルの、具体的な業務内容について教えてください。また、果たしてもらいたいミッションや役割などがあれば、あわせて教えてください。 塾長や常任理事のサポートをお願いします。今回、経営企画プロフェッショナルとして3名の採用を予定しています。担当していただく業務は、大きく分けると企画立案とプロジェクト管理の2つです。 企画立案は塾長や常任理事が担当する経営課題に関して、現状分析やベンチマークの設定などを行い、取り組むべき施策について検討する業務です。具体的には、デスクトップリサーチやインタビューを通じた調査と資料作成を行っていただきます。中期計画、年度事業計画などの作成にも携わっていただきます。 プロジェクト管理は、塾長や常任理事直轄で実行する企画のプロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)業務です。塾内の複数の部署を横断的に巻き込みながら、ロードマップを描き、タスクに分解して、各部署へのアサインメントや実行支援を行っていただきます。具体的には、関係者向けのプロジェクトの説明資料作成、定例会議の主催、ツールの管理、プロジェクトメンバーからの問い合わせ対応などを行い、設定したゴールに向けてプロジェクトを推進していただきます。学校法人として教育、研究、医療の現場を最優先に投資してきた結果、経営面のリソースが潤沢にあるとはいえない状況です。新しい執行部と一緒に、ぜひ慶應義塾の経営のアップデートに取り組んでいただきたいです。 ──具体的にどのような経験やスキル、マインドを持つ人物を求めているのでしょうか。 慶應義塾は10の学部、14の研究科、9の一貫校と1つの大学病院からなり約6,000人の教職員を擁する組織です。また利益を追求する民間企業とは異なり、部局ごとに教育、研究、医療などの社会的使命を第一に仕事をしています。まずはこのことを理解し、そこにやりがいを感じていただけることが重要だと思います。 そのうえで、大企業や学校法人、公的機関の経営企画業務に携わった経験を求めます。スキル面では経営的な視点から情報を収集しプレゼンテーション資料にまとめる能力、プロジェクト管理を効率的に行う能力を重視します。 全教職員が経営的な観点を持っているわけではありません。従ってパーパスやミッション、ビジョン設定のレベルから教職員を巻き込み仕事を進めていく必要があります。そのため、多様なバックグラウンドや興味、インセンティブを持った人たちを巻き込み楽しんで物事に取り組める方が望ましいと考えています。

    優秀な人材が安心できる報酬を提供

    ──今回、あえて業務委託契約での募集になさったと伺っています。こちらの背景と狙いについて教えてください。 業務委託で募集させていただいているのには2つの理由があります。一つは報酬額を引き上げるためです。慶應義塾の職員の給与水準は学校法人としては決して低くはありませんが、プロフェッショナルファームほどではありません。優秀な人材に報酬水準について気にせずに来ていただきたいので、業務委託契約にすることで、現在の収入水準に近いオファーを出せるようにと考えています。 2つ目の理由は業務の性質です。私自身はプロフェッショナルファーム出身の方を採用したり部下にもったりした経験がありますが、塾長や他の常任理事は教員出身なのでそのような経験がありません。また、塾長室長や他の職員もそうした方々と一緒に働いたことがなく、通常の職員と同じように採用して評価や指示をするのは難しいと考えています。そのような状況を踏まえ、一般職員ではなくプロフェッショナルとして自律して動ける方にわれわれのチームに加わっていただければと考えています。 ──募集ポジションにおけるやりがいや業務の醍醐味、得られる経験やスキルなど、今回のお仕事で獲得できるキャリア価値について教えてください。 日本を代表する大学・学校法人の経営に関与できるというのが一番の醍醐味だと思います。今、大学は従来の社会的使命である教育と研究に加えて、イノベーションによって社会に変革をもたらすことも期待されています。そうしたなかで、欧米や中国、シンガポールなどの大学と比べ、日本の大学は経営体としての意識が弱いといわれています。 慶應義塾も今まで自分たちの法人経営に十分なリソースを割いてきませんでした。現代的な企業経営の手法を導入することで、大学の経営を改善する余地はたくさんあります。今回、大学教員出身ではなく実業界出身の私が常任理事になったのも、大学の経営を変えていきたいという思いのあらわれでしょう。慶應義塾には実業界で活躍している卒業生が大勢いますので、そのような方々も一緒に巻き込んでいきたいと考えています。 大学の経営改革は日本全体でみても非常に重要なテーマになっています。塾長室での経験は、今後のキャリアにとって必ずプラスになると思います。 ──所属する塾長室の体制やメンバーの特徴、職場の雰囲気、勤務形態など、職場での働き方について教えてください。また「こんな方に合っている・こんな方と働きたい」という候補者に対するメッセージがあればお願いします。 塾長室は慶應義塾の経営および学事に関する政策・施策の迅速かつ的確な企画・立案・実施を支援することを目的とした塾長直属の部門です。室長の下で企画担当と秘書担当に分かれており、三田キャンパスには企画担当の次長と室員4名が勤務しています。中期計画、年度事業計画の作成は塾長室が主管部署として担当しています。塾長室のメンバーは慶應義塾全体の状況をよく把握しているので、室長や次長が中心となり各部門との橋渡しをしてくれます。 業務委託のため、勤怠の管理などは行いませんが、基本的には一般職員と同様、平日日中は主に塾長室のオフィスで業務していただくことを想定しています。ただ、塾長や常任理事含め、在宅勤務の場合も多いので、業務の状況に応じて効率的な働き方をしていただけます。日常的なコミュニケーションは、メール、「Slack」、「Box」、「Zoom」などを利用していますが、まだ紙の資料を使う文化もあるので、今後ペーパーレス化も徹底したいと考えています。今までにないミッション、契約形態のポジションなので、プロアクティブに周りに働きかけて業務の形を作っていける方に来ていただければ幸いです。

募集職種

  • 塾長室 経営企画プロフェッショナル

    事業企画・事業統括経営企画・経営戦略

    東京都

    【募集背景】 伊藤公平塾長は「慶應義塾の目的」の実践、すなわち「社会の先導者」となることを新執行部のビジョンとして掲げました。福澤諭吉が日本の近代化を牽引する人材を育成し、新たな企業・産業・社会事業を興したように、世界の様々な課題を解決して「未来を創る」世界的な先導者を慶應義塾が育成していくことがいま求められています。そのビジョンの実現を担う、慶應義塾長および常任理事の直属スタッフを募集します。 【業務内容】 塾長および常任理事の直属スタッフとして、経営計画(中期・年度)の立案、重点施策の組織横断的な推進においてリーダーシップを発揮いただくことを期待します。また、塾長および常任理事の業務全般の補佐を担っていただきます。 ■企画立案:経営課題に対する現状分析やベンチマークなどを行い、取組むべき施策について検討する業務 ・デスクトップリサーチやインタビューを通じた調査と資料作成 ・中期計画、年度事業計画の作成 ■プロジェクト管理:塾長・常任理事直轄で実行する企画のPMO業務 塾内の複数の部署を横断的に巻き込みながら、ロードマップを描き、タスクに分解し、各部署へのアサイメントや実行支援を行い、設定したゴールに向けてプロジェクトを推進する役割 ・関係者向けのプロジェクト説明資料の作成 ・定例会議の主催 ・ツールの管理 ・プロジェクトメンバーからの問い合わせ対応等 【所属部署】 ・塾長直属の部門である塾長室に所属 ・塾長室:慶應義塾の経営および学事に関する政策・施策の迅速かつ的確な企画・立案・実施を支援することを目的とした部門で、中期計画、年度事業計画作成の主幹部署 ・室長の下に企画担当と秘書担当とに分かれており、企画担当には次長と室員4名が勤務 ・塾内の各部署との橋渡しは塾長室メンバーがサポート 【選考について】 ・1次選考:書類審査(ビズリーチ登録上の職務経歴書により実施) ・2次選考:面接 ※複数回面接を実施する予定

転職が決まりご報告いただいた方にはお祝いを用意しております。