岡山県教育委員会

子どもたちが「夢や目標に出会える教育」をICT環境の充実と共に実現する
令和2年度、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、教育現場では非常に厳しい環境で新年度を迎えることとなりました。この困難な状況のなか、岡山県教育委員会では、子どもたちの健康と安全を第一に考えながら、学ぶ機会を最大限確保するため、教育のICT化を図る「GIGAスクール構想」の実現を加速させています。そこでこのたび、本構想の早期実現に向けて、ICT導入や環境整備などを行うGIGAスクール構想推進ディレクターを副業・兼業で募集します。岡山県の新たな教育体制をつくる醍醐味やディレクターに求める人物像について、岡山県教育委員会教育長の鍵本芳明氏にお話を伺いました。 ※GIGA:Global and Innovation Gateway for Allの略。
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募集期間:2020年7月30日(木)〜 2020年8月26日(水)
本ページの求人は、「プレミアムステージ」をご利用でなくても、ビズリーチ会員であればどなたでも閲覧、応募が可能です。地域にマッチしたGIGAスクール構想の実現を、プロフェッショナル人材と目指す
岡山県教育委員会では、子どもたちの学力向上や国内外で活躍する人材の育成を目指し、教育のICT化を基盤とした先端技術の活用を進めるなど、GIGAスクール構想の実現に向け、取組を進めています。 GIGAスクール構想とは文部科学省主導で推進している、児童・生徒1人に1台の情報通信端末を配備するとともに、学校内の高速大容量の通信ネットワークなどを整備する計画です。この計画の目的は、子どもたち一人一人に個別最適化された、創造性を育む教育の実現にあります。現在、全国的に推進されている本構想は、単に授業をオンライン化するだけでなく、ICTを最大限活用することで今後到来するとされる新たな社会の姿「Society 5.0」に向け、子どもたちの優れた能力、才能、個性を伸ばす教育を目指しています。 さらに、新型コロナウイルス感染症への対応によるGIGAスクール構想の早期実現が求められており、そのためには各自治体や教育現場がそれぞれの地域の特性と教育理念に合わせたICT教育環境を設計・導入することが必要不可欠です。こうした背景を受けて、岡山県教育委員会では、ICT等の先端技術に関する高度かつ広範囲の経験・知見を持つプロフェッショナル人材を募ることを決めました。
子どもたちそれぞれの「夢」を育む教育にICT化は必要不可欠
岡山県教育委員会 教育長/鍵本 芳明 ──はじめに、岡山県の教育方針について教えてください。 岡山県では、「知育」「徳育」「体育」をバランスよく取り入れ、さまざまな学びを通じて子どもたちの資質や能力を養う教育を推進してきました。こうした教育を通じて、子どもたちがさらに学びを深め、より充実した教育を実施するには、子どもたち自らが学びに向かおうとする意欲が重要です。そしてそのためには、子どもたち自身が「夢や目標を持つこと」が必要だと、私たちは考えました。 こうしたことから、本県では、「夢を持ち育みながら、その実現のための道筋や方法について考え、さらには夢に向かって挑戦する教育」である「夢育(ゆめいく)」を学校教育のなかで推進していくことを決め、本年度より実施を始めています。
──具体的に、どのような取組を通して夢育を実施しているのでしょうか。 子どもたち自らが学習状況や学校内外の活動を振り返ることで、自身の変化や成長を評価する「キャリア・パスポート」によるキャリア教育に取組んでいます。このなかで、特に夢を持つことの重要性を子どもたちに伝え、意識を持ってもらうことで夢育を推進していきたいと考えています。長期的には、岡山県から世界で活躍するグローバル人材を輩出すること、また「おかやま創生」を担う人材の育成にもつなげていきたいですね。 ──夢育という新たな取組を始めた今、GIGAスクール構想推進ディレクターを募集する理由について教えてください。 教育現場の先生方と共に夢育を推進し、子どもたちそれぞれが自分の夢や目標を持って学びを進めていくためには、子どもたち1人1人に最適化された、創造性を育む学びを得られるICT化された教育体制の確立が不可欠です。その際には、ICTを活用した教育手法の開発はもちろんのこと、ICT導入を可能にする環境整備も同時に行わなければなりません。新型コロナウイルス感染症の拡大による、政府からの緊急経済対策にGIGAスクール構想の早期実現が盛り込まれたことも大きなきっかけです。 こうした背景により、一日でも早くICT教育環境の整備を実現するために、通信環境整備や端末購入、情報教育コンテンツの導入など、GIGAスクール構想の実現をリードしていただく推進ディレクターの募集を行うこととなりました。
「教育×IT・デジタル」という新たな仕組みづくりに立ち会える
──GIGAスクール構想推進ディレクターの業務内容について教えてください。 学校や教職員が管理しやすいクラウドベースの学習環境を構築する際の技術的アドバイスや、情報教育コンテンツ導入の際などに県とベンダーとの交渉の仲介などのサポートをしていただきます。 現在、岡山県では、GIGAスクール構想の実現に向けた取組のなかで、端末の導入(BYOD)や、「G Suite for Education」および「Office 365」などの教育用クラウド環境を活用した教育を進めようとしています。それらを日常的な運用に落とし込む際に、これまでの経験や知見を生かしていただきたいと考えています。 ──どのようなところにやりがいや魅力があると思われますか。 教育分野とIT・デジタル分野を掛け合わせた新しい仕組みづくりに関わることができます。これは、今後、さまざまな分野でIT・デジタルを活用した事業構築ができる人材が求められるときに役立つ、貴重な実践経験となるはずです。 また、未来の人材を育成する教育という分野における最先端に触れる業務となりますので、今後の教育分野への知見を深めることにもつながります。さらに、行政組織でプロジェクトを推進するため、自身の提言が政策に反映され、自治体の大きな流れを構築する過程を体験することになります。今後、さらなる推進が求められる官民連携のさまざまなプロジェクトを担う際のマネジメント能力も身につけられるでしょう。
──GIGAスクール構想推進ディレクターとしてプロジェクトを推進するにあたり、どのような経験やマインドをお持ちの方に参画していただきたいですか。 IoTやAI、ICTなどの先端技術に関する知見は、GIGAスクール構想の実現のためには必須となります。そのなかでも、ベンダーディレクションやシステム開発時のプロジェクトマネジメント経験、インフラ刷新プロジェクトなどの経験をお持ちの方でしたら、構想の実現を推進していただけるでしょう。 また、教育のICT化を推進するにあたり、教育情報セキュリティポリシーの策定や通信ネットワークの整備など、幅広い分野の専門知識が必要となるでしょう。どの分野のプロジェクトに優先的に関わっていただくかは、候補者の皆さんのご経験などを考慮したうえで、相談しながら決めていきたいと思います。 なお、教育に関して必要な知識は、教育委員会のICT教育推進プロジェクトチームが補完しますので、現時点では必須ではありません。むしろ、教育現場とは異なるバックグラウンドを持つ専門性を生かしながら、教育委員会職員と協力・連携して業務を進めていただきたいです。柔軟でチームワークを重視したコミュニケーション力や、ICT教育の推進に積極的に取組んでいただけるマインドをお持ちの方に、ぜひ参画していただきたいですね。 ──最後に、候補者の方へのメッセージをお願いします。 今、日本の教育はGIGAスクール構想の実現により、令和時代のスタンダードとなる新たな学校像へ大きく変革していく時期にあります。このようなタイミングで岡山県のGIGAスクール構想の実現に携わっていただくことになりますので、教育への思いと自身の専門分野への熱意を併せ持った方に、積極的にプロジェクトを推進していただきたいですね。また、民間企業でのキャリアではなかなか関わる機会のない教育分野の知見は、今後のキャリアや人的ネットワークの拡大にもつながることでしょう。 ぜひ私たちと新たな教育体制をつくり、子どもたちの夢育を推進することで、岡山県の発展にお力を貸していただきたいと思います。
募集職種
- 【副業兼業】岡山県GIGAスクール構想推進ディレクター
CTO・CIOプロジェクトマネージャー(Web・オープン系)システムコンサルタント
岡山県
【募集背景】 国が推進するGIGAスクール構想により、岡山県においても、県立学校の児童生徒「1人1台端末」の実現や、通信環境の整備等を令和2年度から順次進めているところです。 併せて、新型コロナウイルス感染症拡大の第2波、第3波による再度の臨時休業に備えた県立学校のICT環境の整備については、本年10月末を目途に整備を図ることを目指しています。 今後、この急速な学校ICT化を進める中で、岡山県教育委員会や学校の専門的知見を補う必要があると考えられ、通信環境整備や、端末・情報教育コンテンツの導入など総括的にアドバイスができる人材の確保が急務となっています。 そこで今回、岡山県のGIGAスクール構想実現に向けて、副業兼業でディレクターを担っていただける方を募集します。 【業務内容】 ■技術的な知見を用いた支援 ・G Suite及びOffice365に対応したクラウド環境の構築において、活用・管理しやすいテナント構築を設計する上での技術的助言 ・校内通信ネットワークや学校と外部をつなぐインターネット接続回線などの通信環境の整備、端末や教育用コンテンツ導入等における、県とベンダーとの仲介、第三者的立場からの助言 また、段階的に、以下についてもお願いしたいと考えています。 ・県立高等学校におけるBYODの円滑な導入に向けたコンサルティング ・新たな「教育情報セキュリティポリシー」策定後における各県立学校への円滑な導入に向けての助言 等 ■プロジェクト全体の戦略策定、施策実行に関するアドバイス ・知識やスキル、経験に基づく専門的なアドバイス及び参考となる他事例の提示 ・ICT教育推進プロジェクト会議(不定期:月1~2回程度)への助言 等 【得られるキャリア価値】 GIGAスクール構想は岡山県においても、日本全体においても、教育委員会における一大プロジェクトであり、本業務に携わることで、自治体内の政策形成過程の一部分を垣間見ることができ、官公庁におけるアドバイザリーとしての知識や経験を得ることができます。 【参考情報】 各項目の6月末時点の進捗状況と今後の展望は以下のとおりです。 〇教育用クラウド環境の構築 令和2年5月に、全ての県立学校の生徒についてGoogleアカウントを1人1アカウント取得が完了。令和3年3月31日までに、アカウントの環境設計構築及び運用、各学校ドメインから県統一ドメインへの移行を行うが、端末購入に関する基本設定に必要な項目は、9月~10月を目途に行う予定です。 〇端末の導入(BYODを含む) 教員用端末(全校種)、生徒貸出用端末(県立高校等)の購入は、公費で、10月末までに整備を図る予定です。 生徒用端末(県立高校)については、BYOD方式により、各高校が令和3年度または令和4年度の入学生から順次導入していくことを検討しています。 〇通信環境の整備 令和3年3月31日までに、全県立学校の校内LAN整備を行う予定です。令和2年7月から順次県立学校内の整備を開始し、県立中学校、県立特別支援学校は、10月末を目途に整備を図るとともに、県立高校も順次整備を図っていく予定です。また、県立学校と外部をつなぐインターネット接続回線の増強についても、10月末を目途に整備を図ることとしています。 〇教育情報セキュリティポリシーの策定 令和3年4月から、今後新たに策定する「教育情報セキュリティポリシー」の実施を目指して進めているところです。一方で、新型コロナウイルスの感染症対策の対応により、教員用端末等の導入が急務となっており、今後、端末や通信環境等の整備と「教育情報セキュリティポリシー」の策定作業を同時進行で進めていきます。 〇情報教育コンテンツ 今後、授業内容にあわせた適正な教育コンテンツの導入(導入の有無を含む。)を、検討していきます。