株式会社カルマリオン

株式会社カルマリオン

東大発の「逆解析技術」を活用した事業の成長をリードする

独自の「逆解析技術」で土木や製造の現場の業務効率化を支えながら、新たな可能性を切り開く、東京大学発のディープテックベンチャー、株式会社カルマリオン。東京大学が母体の投資事業会社、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下、東大IPC)と国内22のアカデミアが共催する国内最大規模の起業支援プログラム「1stRound(ファーストラウンド)」にも採択された高い技術を持つ同社は、今後の事業成長を加速させるべく、副業・兼業で「COO(最高執行責任者)」を募集します。カルマリオンが開発した逆解析技術の特長と、その技術を活用した事業の可能性とは何か。大学在籍時、同じ研究室に所属し、同社を創業した吉竹純基氏と乾幸地氏にお話を伺いました。

募集期間:2025年4月1日(火)〜 2025年4月28日(月)

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  • 圧倒的な時間・コスト軽減を実現した「逆解析技術」とは

    代表取締役/吉竹 純基(右) Co-founder 兼 技術アドバイザー/乾 幸地(左) ──カルマリオンが提供しているシミュレーションの「逆解析技術」について教えてください。 吉竹:土木建築や製造現場で使われる通常のコンピューターシミュレーションは、あらかじめ特定の「パラメータ(性質)」を設定したうえで、「この条件下で何が起こるのか」の結果を検証するものです。一方「逆解析」は、シミュレーションを文字通り逆に解く技術です。「こういう結果になってほしい」と先に設定し、求める結果になるようなパラメータを逆算することです。 カルマリオンが開発する逆解析技術は、100万以上の膨大なバラメータ数で決まるような複雑な性質を対象とする場合であっても、短時間で高精度に計算処理できるのが特長です。 乾:実際に、竹中工務店様との地下水の水漏れを検出するプロジェクトで、私たちの逆解析技術により、従来1週間以上かかっていた計算をわずか40分にまで短縮した事例があります。 大型建築物の建設時、敷地の外からの地下水の浸入を防ぐために「遮水壁」が設けられています。しかし、遮水壁が完全でない場合、地下で水漏れが発生してしまうことがあります。 通常、水漏れ箇所を特定するには、発生が疑われる地点を1カ所ずつ確認するしかありません。そして、大型建築物では1カ所確認するだけでも時間的および金銭的コストが大きく、水漏れ箇所の特定にあたっては「職人の経験」に頼らざるを得ないのが現状です。 そこで逆解析技術を活用し、この課題の解決に取り組みました。まず、いくつかの観測用井戸での観測結果から、水位変化など「水漏れの影響」を把握。そこから逆解析をして、水漏れ箇所の検知を試みました。実際に竹中工務店様から提供されたデータを解析した結果、水漏れの発生箇所を高い精度で特定しています。これにより1週間以上かけていた計算をわずか40分で実現したのです。 吉竹:現場の作業者が分析の結果を待つ必要がなくなりますので、午前中に解析を行い、午後には現場の作業者が作業に着手するといったことも今後可能になるでしょう。竹中工務店様とのプロジェクトは「短時間で処理できる」という逆解析技術の強みを活用することで、時間や金銭面だけでなく、業務の効率化をも実現できるという可能性を立証できた事例だと考えています。

    「汎用性の高さ」が鍵。社会的ニーズの高いインフラ領域への活用も視野に

    ──カルマリオンの逆解析技術は、どのようにして生まれたのでしょうか。 乾:技術のベースとなっているのは、東京大学大学院時代に取り組んでいた物性物理学の研究です。吉竹と私は同じ研究室に所属し、ともに研究を取り組んでいました。そして、量子力学に基づいたシミュレーションを使って、欲しい性質から新しい物質を探索する過程で、逆解析技術を開発しました。当初は研究目的で活用していたのですが、その応用範囲の広さに可能性を感じ、特許を取得。その後、この技術をビジネスへ展開する道を模索し始めました。 シミュレーションとは「特定のパラメータを設定した場合、その条件下で何が起きるか」の判断に用いられるものです。しかし、より多くの人が解決したい問いは「求める結果を達成するためには、どのような条件が必要なのか」。つまり、そういった条件に対応するパラメータを直接導き出す逆解析技術こそが、ユーザーが本当に必要としているものなのではないかと考えたのです。 ──どのような業界で逆解析技術を役立てられると思いますか。 吉竹:私たちの技術の特長の一つは「汎用性の高さ」です。この特長を生かすことで、先ほどお伝えした土木分野に加えて多様な業界での応用が期待されており、ビジネス需要も高まっていくでしょう。 実際に、電子デバイスや光学デバイスの開発でも逆解析技術が活用されています。機器を設計する際、欲しい性質を先に定め、その性質を持つデバイスを設計に用いたり、不良品があった場合にはその動作データを逆解析することで、詳細な検査をせずとも不良箇所を計算で算出して効率化を図れたりするなど、新たなアプローチが進められています。 最も役立てられるシーンとして考えているのは、インフラの保守点検分野です。昨今、大規模な道路陥没の事故も大きな社会問題になっていますが、そういった保守点検に私たちの逆解析技術を活用できると考えています。特に、大規模な橋や線路などの構造物では、細部までの十分な検査が難しく、そのような箇所で逆解析技術の強みを発揮できるはずです。先ほどの水漏れ検知のように、「分からない・見えない」部分を可視化し、正確に把握できるようにすれば、点検・保守の効率化や精度向上に寄与できるでしょう。

  • 幅広い領域に向けて、技術を普及させる方法を考えたい

    ──今後の事業展望についてお聞かせください。 乾:さまざまな企業と連携しながら実績を積み、特に逆解析技術の需要が大きい領域を見極めていきたいと考えています。需要の高い分野が明確になれば、それに合わせた解析技術の開発を進めることで、より実用的なサービスやソリューションを生み出せるでしょう。例えば、「水漏れ検知に特化したツール」など、用途ごとに最適な形で技術を展開できれば、より多くのお客様に技術を使っていただける場面が増えると思っています。 吉竹:同時に必要だと思っているのが、「一つ一つの案件を、よりコストを抑えて対応できる仕組み作り」です。現在カルマリオンでは、特定の領域の案件に対して、その案件ごとに個別でシステムを構築して、解析を行っています。ですので、一つのプロジェクト進行中はそれに専念せざるを得ず、同時に多くのお客様からの相談をお受けしにくい状態にあります。 そこで、展開が見込まれる分野向けに、逆解析技術をより手軽に利用できる仕組みを整えたいと思っています。解析の効率化を通して、技術の普及を加速し、より多くの企業が活用しやすい環境を構築していきます。 ──今回COOを募集する理由をお聞かせください。 吉竹:今後の事業展開を見据え、事業戦略の立案やサービスの内容・価格の企画、営業戦略立案、顧客開拓などを進めていきます。そこで、ビジネスに精通した方にCOOとして参画していただきたいと考えました。 私も乾もアカデミア出身で、どちらかというと「研究者寄り」の人間だと思っています。そのため、さまざまなお客様とご一緒するなかで、事業運営を不安に感じる場面が少しずつ増えてきています。 事業が成長するにつれ、契約や財務管理はもちろん「逆解析技術はどう利用していくべきか」など、カルマリオンとして管理すべき対象は拡大していくでしょう。しかし現時点では、そうした成長に対応する事業運営の体制が十分に整っているとは言えません。私たちが持つ研究者としての視点に加えて、カルマリオンのビジネス面を強化できる方とぜひご一緒したいです。 なお、まずは「COO候補」として、週1~2日程度の副業・兼業で勤務し、一緒に事業検討を進めることから始めていただきたいと考えています。

    逆解析技術の可能性を共に切り開き、挑戦を楽しみたい

    ──どのような方に参画していただきたいとお考えでしょうか。 吉竹:ビジネス視点を持ちながらも、技術に対しても十分な理解と判断ができる方を求めています。カルマリオンによる逆解析技術の魅力、社会的意義、そしてビジネス的な価値のバランスを大切にしながら、事業方針を定め、企業の成長を見据えたビジネスプランの構築などをお願いしたいと思っています。 今後、特定の領域に特化したサービス開発を進めていくにあたり、業界や領域ごとの特性を自ら深掘りし、お客様と連携しながら課題を解決できることが求められます。事業の展開先もさまざまな分野・領域に広がる可能性があるため、新しい領域や未知の分野にも好奇心を持って挑戦できる方は、この仕事を存分に楽しめるのではないでしょうか。 乾:シミュレーション技術をコアとした事業のため、専門レベルでなくとも、技術の概要を理解できる方が望ましいです。例えば、理工学系の修士号を持つ方なら、その知識や経験を生かせる場面が多いでしょう。 また、逆解析はAIの仕組みも応用したいわばソフトウエア的な技術ですが、実際の活用先は、土木建築や製造などといったハードのある領域です。そのため、ソフトウエアとハードの掛け合わせによる価値提供に興味を持つ方も歓迎です。 ──最後に、カルマリオンでのキャリアを検討している方へのメッセージをお願いします。 乾:逆解析は、「求める答えを自動で導き出す」というニーズを実現する技術です。研究時から感じていた応用範囲の広さを、企業との実証を通して実感すると同時に、お客様からの大きな期待やニーズも感じました。一方で、その価値を最大限に生かし、事業として成長させるためには、最適な方法を探りながら進めていく必要があります。だからこそ、カルマリオンの技術に可能性を感じてくださる方とともに、新たな挑戦をしていきたいと考えています。 吉竹:乾と同じく、私も実際の事業を通して構想していたものが少しずつ形になり、「社会に真に役立つ技術を提供している」という実感を持てるようになりました。とはいえ、まだまだ「どの分野でどのように活用できるのか」といった可能性にあふれる技術でもあります。完成したサービスを販売するのではなく、「こんなことにも使えるのか」という新たな可能性を一緒に探究し、楽しんでいける方とお会いできたらうれしいです。

  • 異例のキャリアを持つ創業者とともに、事業成長を実現してほしい

    東京大学協創プラットフォーム開発株式会社 パートナー(AOI1号CIO)/水本 尚宏 ──カルマリオンが採択された起業支援プログラム「1stRound」の概要をお聞かせください。 「1stRound」は、法人設立前のチーム、あるいはベンチャーキャピタルから外部調達をする前の設立3年以内のベンチャーが理想的な形で最初の資金調達(1stRound)を達成できる環境を提供しています。国内の国公立・私立大学18校、4つの国立研究機関および東大IPCが共催する国内最大規模を誇るテック系ベンチャー向け起業支援プログラムです。 採択先には、コーポレートパートナー等の協力により、最大1,000万円のNon-Equity資金、大手企業との協業機会、クラウドリソースやオフィスなどの開発環境およびキャピタリストと専門家による6カ月のハンズオンが無償提供されます。 ──カルマリオンは、どのような経緯でプログラムに採択されたのでしょうか。 カルマリオンは、現在大きな社会課題になっているインフラの異常箇所を、ボーリング調査などをせずに特定する技術を持つ会社です。具体的には自動微分を活用した独自の逆解析技術を活用し、従来は多くの人手と勘に頼っていた地下水漏れなど視認が困難なインフラの異常箇所を、高精度かつ短時間で特定できます。これにより、土木建築産業の人手不足の解消、工期短縮、コスト削減に大きく貢献します。 また、既存のセンサーから得たデータを活用するため、新たな設備導入が不要であり、導入のハードルが低い点も特長です。これらの点が高く評価され、今回の採択に至りました。 ──水本さんが思う、カルマリオンの事業の魅力・強みをお聞かせください。 カルマリオンは、採択時に想定していなかった用途においても新規プロジェクトの受注に成功し、当該プロジェクトにおいて逆解析技術を用いて既存シミュレーションの効率・精度を大幅に上回ることを実現するなど、1stRoundの支援期間を通じて大きく成長しました。今後もさらなる飛躍が期待され、このタイミングでの参画は非常にエキサイティングな機会だと思います。 リクルートなど民間企業でのキャリアを経て、東京大学特任准教授となった異色の経歴を持つ乾氏をはじめ、高い技術力を有する吉竹氏とともに事業を推進できることも魅力でしょう。事業開発を担うCOOの参画によって、さらなる成長を実現できると確信しています。

募集職種

  • 【副業兼業】COO候補|東大発ベンチャーが挑む、AIによる”逆解析技術”で土木・製造現場の劇的な効率化

    経営者・CEO・COO等事業企画・事業統括経営企画・経営戦略

    東京都

    当社は「逆解析技術」を活用して土木・建築や製造業の現場の劇的な効率化を目指す、東京大学出身の研究者2名で創業した技術系スタートアップです。 【逆解析技術について】 逆解析技術とは、文字通り「シミュレーションを逆に解く」技術です。通常のシミュレーションでは、先に構造を決めて、それがある条件のもとでどんな結果をもたらすのか計算しますが、「逆解析」では、先に「こんな結果が欲しい」という目標を決めて、その計算結果になるような構造を逆算することができます。 これにより例えば、 ・製造業では「欲しい性質を持つデバイスの構造」を自動で設計すること ・土木事業では、観測するのに多額のコストがかかる「地中」や「建築物の内部」の構造を、いまある限られた観測データからでも、短時間かつとても高い精度で予測すること などが可能になります。 深刻化する社会課題であるインフラ老朽化への対応としても、点検や修理における大きなコストの削減を実現する可能性があります。 汎用性の高い技術のため、活用場面は上記にとどまりません。また、日本に限らず海外への展開も可能です。 当社の逆解析技術の特徴は、AI技術と組み合わせ、自動微分を活用した独自の技術により、複雑なシミュレーションを極めて高速に実現できる点です(特許取得済み)。具体的には、100万以上の大量パラメータを同時に最適化し、観測データを高精度に再現するシミュレーターを構築できます。 【本ポジションの募集背景】 当社は、東京大学大学院工学系研究科でともに博士号を取得した吉竹と乾の2名が、民間企業等での勤務も経て、2023年8月に共同創業しました。2024年7月にはアカデミア共催起業支援プログラム「1stRound」の支援先にも採択されています。 創業以来、大手総合建設会社や大手メーカーとともに逆解析技術の実証を進め、各業界における高いニーズが明らかになったため、これからの事業開発や顧客開拓、組織開発等を担っていただけるビジネスプロフェッショナルを募集します。 まずは副業兼業で参画いただき、将来的には3人目の社員となる「COO」としてビジネスサイド全般においてご活躍いただきたいと考えています。 【業務内容】 アカデミア出身の共同創業者2名とともに、ビジネス面から弊社の成長を担っていただきたく、主に以下のような業務を推進いただきます。 ・事業戦略の検討・策定 ・マーケットリサーチ(主には土木・建築・製造業界が想定されますが、汎用性の高い技術のためこれにとどまりません) ・事業開発(市場選定、サービス・商品設計、エンタープライズを中心とした顧客開拓など) ・採用活動をはじめとする、組織の立ち上げや組織開発 【本ポジションの魅力】 ・本技術ではこれまで、土木・建築・製造などの領域で、数十倍の作業効率化を実現しました。東京大学の研究に基づく高度な逆解析技術を、事業として社会実装することを通じて、産業界の革新を起こします ・3人目の社員として、創業フェーズで経営に深く関与できます