真摯に顧客と向き合いたい。
想いを実現できないことがジレンマに
高校を卒業後、建設業界に就職して施工管理を手掛けていたA氏は、次第に「もっと大きな仕事がしたい」と思うようになって大学に進学。卒業後、あらためて就職活動を始めると、施工管理の経験を評価されて、若くても裁量を与えてくれた前職に出会った。
入社後は現場監督からスタートし、営業部門に異動。ミッションは土地を保有するオーナーに対して、マンションなど土地活用の提案をすることだった。「営業は未経験でしたが、自分の裁量で時間も成果もコントロールできる自由さに惹かれました。未経験ながら営業成績を上げることができたので、早期に営業所のマネジメントを任されるようになったのです」。
しかし次第に、社内の人材育成に関する問題や、受注した物件の品質管理についてなど、きちんと顧客と向き合っていない会社の方針に疑問を持つように。マネジメントという立場で、顧客と会社の板ばさみになり、顧客志向を実現できないジレンマが生まれたA氏は退職を決意し、転職活動を始めることにした。
役員の真摯さと熱意に惹かれ、
転職を決意
これまで職務経歴書を書く機会の無かったA氏は、ビズリーチの職務経歴書作成ガイドがとても役に立ったと言う。「職務経歴書を書き終わり、本格的に転職活動を始めようとした矢先に、今回転職を決めた会社からスカウトメールが届きました。その会社は、前職とは同業で、いわばライバル企業です。最初は抵抗がありましたが、メールの送り主はよく知っている役員の方。業界でも優秀だと評判だったため、話だけ聞いてみることにしたのです」。
同業のライバル企業に転職することは無いと考えていたA氏。しかし役員の方は、A氏の想いを真摯に受け取ったうえで、「首都圏の営業を強化する手伝いをして欲しい」と、具体的な期待を示したそうだ。「面接が終わるとすぐに役員の方から電話があり、その日のうちに内定を告げられましたが、正直回答には迷いました。まだ転職活動を始めたばかりで、ほかに気になる求人もありましたし、同業に転職するという抵抗感を払しょくするには至っていませんでした」。
A氏はその想いを素直に伝えると、お酒を酌み交わしながら、業界の状況や会社が実現させたいことなどについて聞く機会を設けられたと言う。「お客様への提案手法や関係構築などに対する価値観を確認できたことはとても良かったです。また、首都圏の営業強化という目標に対して大きな裁量が持てることも魅力に感じましたね。そして何より、必要とされていることを実感できたので、入社を決意しました」。転職活動を通じて、自分のキャリア志向を考えるきっかけになったというA氏。自分が望むものは何なのかをはっきり理解できたことも良かったと語ってくれた。